ナポレオン毒殺説を否定=幼少時の髪からもヒ素-伊研究チーム
推理小説でも砒素を使って毒殺という手段は出てきます。 ちょっとづつ食事に混ぜて摂取させると病気で衰弱していくように見せかけて殺すことが出来るそうな…。衰弱死と判断されれば解剖される事もなく,荼毘に付され毒殺の証拠も残らない…,と。 ナポレオンに関しては残された毛髪を検査したところ,大量の砒素が検出されたとか。 ※砒素はちょっとづつ摂取していく内に体内に蓄積され髪の毛でも検出される。 ナポレオンの砒素による毒殺説は知ってましたが,その後,誰かが食事に砒素を盛った毒殺ではなく,単なる砒素中毒だとの話をききました。 それは,当時室内の装飾(壁紙,塗料【動物の剥製との話も】)に使われていた材料に砒素が含まれていたのですが,セントヘレナの高温多湿の気候によって湿気に含まれる砒素を常に吸い込む環境にあり中毒症状で死んだとの説でした。 今回の研究では子供時代から大量の砒素を摂取していたことになり,毒殺の線はなくなりそうですが,胃癌だったとしてもやはり砒素による何らかの悪影響はあったのではないでしょうか。 ナポレオンは3時間しか寝ないという話も(実際はちょくちょく昼寝をしていて6,7時間寝ていたそうですが)実は睡眠障害で長時間寝つくことが出来なかったらしいですし…。 生きていた当時から良くも悪くもヒーローだったから今でもこれほど騒がれるんでしょうね。 同時代を生きたベートヴェンの作品「英雄」はナポレオンにささげようと作曲したが,皇帝に即位した事を知り、「ナポレオンに捧ぐ」というような事を書いていた表紙を破り捨てたとか。 チャイコフスキーの「1812年」はナポレオンのロシア遠征失敗をモチーフにした曲ですね。 世界史,その他多大なる影響を与えてます。 馬に乗ってる肖像画が多いのは背が低いこと(とはいっても167cmある)にコンプレックスを感じていたからとか。 にしても↓の記事をみるとメタボだったのでしょうか??
↓ちょっと古い胃癌説の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000031-jij-int
2005/05/14 - 9:29 ナポレオンの死因 胃癌説をスイス研究者が支持
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000031-jij-int
2005/05/14 - 9:29 ナポレオンの死因 胃癌説をスイス研究者が支持
バーゼル大学(解剖病理学)のアレクサンドル・ルグリ教授らの発表によるとナポレオンの死因はヒ素による毒殺ではなく、やはり当時の発表どおりの胃癌だったという。
この毒殺説を否定する発表を受けて、ナポレオン専門の歴史家、アラン=ジャック・トルナーレ氏にインタビューをした。
この毒殺説を否定する発表を受けて、ナポレオン専門の歴史家、アラン=ジャック・トルナーレ氏にインタビューをした。
研究はナポレオンの最後の5ヶ月で体重が11キロ以上も激減していることを確認した。1804年から1821年までに使用された9着のズボンから腹の脂肪の厚さを計算し、体重を出したもの。また、ナポレオンの主治医も皇帝の腹回りを記録していた。
身長167センチのナポレオンの体重は1804年には67.8キロ、1815年には82.5キロ、1820年には最高の90,7キロだった。しかし、死亡時の1821年には75.7キロまで減っていた。今回研究チームは「この体重の激減は1820年の秋頃から胃の悪性腫瘍に掛かっていたからだ」と診断した。
以下、ナポレオン専門の歴史家、アラン=ジャック・トルナーレ氏のインタビュー。
これによって、歴史的人物に近づくことができます。ナポレオンのように伝説的な人物にとっては特に当てはまるでしょう。
英国人がナポレオンを毒殺したという考えは英仏関係を悪化させました。ナポレオンを被害者にすることが英雄化するのに最も有効な方法でした。
これはナポレオンという人物の性格にピッタリです。彼は敗北の責任を常に他人になすり付けてきました。ナポレオンは類まれなコミュニケーターで宣伝の王者でした。
ナポレオンはフランスを彼が受け取った時よりも小さく残し、崩壊しました。これが後世の名声に具合が悪いので、流刑されたセントヘレナ島で“被害者”として姿を残したかったのでしょう。
このような人の死を受け入れるのは難しいのです。我々の想像では死ぬことが許されない人なのです。彼の死が不当で矛盾していると思いたいのです。
今の時代ではこのようなカリスマ性を備えた人物はあまりいません。ヨハネ・パウロ2世が死去したときの熱狂はこのよい例と言えます。
このように人々を結束させ、「こうありたい」と思わせる人物が必要なのです。もし、ナポレオンのような人物が存在しなくなってしまうのなら、創造しなければならないでしょう。