明日は明日の風が吹いて……個人の日記帳です

アメリカンジョーク好きです

男はつらいよ 望郷篇

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製作年度: 1970年
監督: 山田洋次
上映時間: 88分

 渥美清主演の人気シリーズ第5作目。監督は1、2作から久々に復帰した山田洋次。今回のマドンナ役にはTV版でさくらを演じた長山藍子。ヤクザ稼業から足を洗う決意をした寅さんが堅気になろうと奮闘するさまを描く。旅先から故郷の葛飾・柴又に帰ってきた寅次郎。ちょっとした行き違いからいつものごとくおいちゃんと大げんかとなり“とらや”は大騒ぎ。と、そこへ、かつて世話になった親分が病に倒れ、寅次郎に会いたがっているとの知らせが。さっそく親分が入院している札幌の病院へとやって来た寅次郎。そこで寅次郎は親分からある頼み事をされるのだったが……。


今回ばかりは寅さんに同情します。
冒頭のおいちゃんの葬式騒動も夢でおいちゃんの臨終場面を見て,心配で電話かけたところ悪ふざけでおいちゃんがぐったりしてて危ないってからかってすっかり正夢と思って手配を済ましてしまうとは…。

親分の死に際に接して,親子の情の複雑さに感慨深げ。
今度こそまじめに働こうとしてたのに…豆腐屋の母娘も寅さんが娘に気があることは気づいていただろうに…。

もどかしいくらいに不器用ですね。

前回はさくらの登場は少なかったけど,今回はたくさん出演場面がありました。
さくらの言うことだけはきちんときいている寅さん。妹思い、


1970年の作品ですが,このころって蒸気機関車が走ってたんですね…。
町並みももっと古い印象があったり…(下町中心だからかな?)
戦後25年の年かぁ…。

シリーズでは全国各地でロケを行っているけどところどころ挿入される趣のある場面が印象的です。最後の浜辺で寅と舎弟が戯れているその向う。汽笛を鳴らし煙をモクモクとあげた汽車が遠ざかっていく…ところもよかった。時代を象徴している記念碑のようでいです。


男はつらいよは「一人の俳優が演じたもっとも長いシリーズ」としてギネスブックに認定されています。

007シリーズの初代ジェームス・ボンドといえばショーン・コネリーショーン・コネリーは5作目まで演じた後,あまりにもジェームス・ボンドのイメージがついてしまったためそれを嫌い降板したとか。
(後にさらに2作演じてるが)

男はつらいよ渥美清とは対照的。渥美清は寅さんを演じるようになってから極力他の作品への出演は控え,秘密裡に私生活を送っていたとか。

どちらがいいかは分からないけど,寅さんといえば渥美清のイメージは崩せないし新作を期待してもいまさら他の人が演じることもできないだろう…。




あらすじ
寅さんは旅先で、おいちゃんが病気で倒れる夢を見てそのことが気にかかり、故郷の葛飾・柴又に帰ってくる。おいちゃんの車竜造は、たまたま遊びに来た隣家の工場主の梅太郎の横で、暑さのために、グッタリして、横になっているが、これを見た寅さんは「やっばりあの夢はほんとうだった」と手まわしよろしく帝釈天の御前様はじめ近所の人や、葬儀屋まで集めてしまう。悪意がないとは知りながらも、生き仏にされてしまったおいちゃんの怒りは常にもまして激しく、一方心の底からおいちゃんのことを心配してやった行為がどうしてこんな結果を招いてしまったのか理解に苦しむ寅さんは口論の末、大喧嘩となってしまった。そこへ寅さんの舎弟登が、昔寅さんが世話になった札幌の竜岡親分が重病で、寅さんに逢いたがっていることを知らせに訪ねてくる。義理と人情を信条とする寅さんは、さっそく登を連れて札幌に向かった。病院についてみると、親分にはもう昔の華やかな面影はなく医療保護にすがって生きている今にも枯れはててしまいそうな老人と変っていた。身よりもなくたった一人の親分は寅さんの来道に涙を流して喜こんだ。そして寅さんを男と見こみ、最後の願いとして二十年前、旅館の女中に生ませた息子を探がしてくれるよう頼むのだった。二つ返事で引き受けた寅さんと登は息子探がしに奔走し、やっとの思いで居場所をつきとめたが、親分の息子澄雄から返ってくる返事は意外に冷めたかった。「二十年もほったらかしておいて今さら親子などと虫のいいことを言うな」という澄雄の言葉も考えてみれば当然のことであるが、義理、人情だけでは割り切れない人間心理の複雑さに寅さんは大きく動かされる。そして病院に帰ってみるとすでに親分は息を引きとり、ここでもやくざ渡世の末路のみじめさを思い知らされる。このことが原因で寅さんはやくざ稼業から足を洗うことを決意し、いやがる登を田舎に帰し再び柴又へ帰って来た。【寅さんの突如の変貌ぶりにおいちゃんたちは目を丸くして驚ろくのだが、地道に、額に汗して働こうと、心に誓った寅さんは柴又とは目と鼻の先の浦安の町の豆腐屋「三七十屋」に住み込みで働くようになる。この店は、母親のとみと娘の節子の二人暮しだが、寅さんの働きぶりに二人ともすっかり感心し、次第に心を許すようになってくる。ところがいつの間にか寅さんの節子に対する片想いが始まりこの噂さはいつともなく浦安から柴又まで広がっていくが結局、節子の恋人木村の出現によって、寅さんは失恋してしまう。夢破れたあまりのいたたまれなさに耐えきれず江戸川の花火大会の夜、寅さんはひとり淋しく浦安を後にするのだった。