明日は明日の風が吹いて……個人の日記帳です

アメリカンジョーク好きです

うなぎ

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製作年度: 1997年
監督: 今村昌平
上映時間: 117分


楢山節考」の今村昌平が「黒い雨」以来8年ぶりに監督し、第50回カンヌ映画祭でグランプリ(パルム・ドール)を受賞した作品。かつて、妻の浮気に逆上し妻を殺してしまった男・山下拓郎。以来、極度の人間不信に陥った山下は仮出所後、理髪店を営みながらも人々との交流を避け、本音を明かす唯一のパートナーとして“うなぎ”を選ぶ。ある日、山下は河原で自殺未遂の女性・桂子を助ける。桂子は恩返しにと理髪店の手伝いを申し出て、山下は渋々雇うことにするが……。


1997年のカンヌ国際映画祭でグランプリ(パルム・ドール賞)を受賞した作品。
遅ればせながら鑑賞。

仮出所の身の男と自殺未遂を起こした女の奇妙な共同生活。

山下は考えが潔癖すぎな嫌いがある。妻の浮気現場に遭遇し殺したのも好きだったから,浮気されて許せないといった理由で殺してしまう。
浮気は匿名の手紙で知って夜釣りに出かけるといって夜中に帰ってくるのだが,刑務所で知り合った男が語るには手紙というのは劣等感が生み出した山下の妄想だと。
山下は殺したことも内心間違ってなかったと思っているような節もあるし自分の気持ちには正直なのだろう。

裁判の経緯は描かれていないが,浮気相手はどこの誰だかわからず車で逃げたとされているのだろうか…。

 
もともと考えつめる性質のようだし,刑務所を出て床屋を営むもそれほど愛想がよいわけでもない。
田舎が設定のようだが周りの人たちの暖かさもあり順調にいっている。

無愛想な山下にたいしても桂子は奔放な性格のまま接し,山下にひかれて行くようだが桂子もまたいろいろな不幸を抱えていた。でも金融会社の副社長だったし社会的にはいい暮らししてたみたい。
不倫相手はなかなか離婚しない,母親の財産目当てのようなところもある堂島という貸金業の男。母親は心の病のため自分もいつか発症するのではないのかとの不安もあって死にたくなったようだ。

堂島が桂子を探しに来たとき、またしても潔癖な性格が災いして刃物で人を傷つけ仮釈放取り消しになってしまう。
桂子の子が自分の子でないことを知りながら自分の子だと言って受け入れてしまうとは…。
まぁ山下なりの精一杯の愛情表現なんだろう。
二人はどちらかというと正反対な性格だけど意外とお似合いな感じはする。

山下よりは刑務所で知り合った高崎の方がよっぽど正直で人間くさい感じだが,ストーリー上も山下との会話がポイントになってくる。

どろどろした感じですっきりとはしないんだけどいちおうハッピーエンドかな!?



gooあらすじ
1988年夏、サラリーマンの山下拓郎は妻の浮気を告発する差出人不明の手紙を受け取った。不倫の現場を目の当たりにした彼は、激しい怒りに駆られて妻を刺殺してしまう。それから8年、刑務所を仮出所した山下は、千葉県佐倉市の住職・中島の世話で、利根川の河辺に小さな理髪店を開業した。人間不信に陥っていた彼は、仮釈放中にトラブルを起こしてはならないこともあって近所づきあいもせず、飼っているうなぎを唯一の話し相手に、静かな自戒の日々を送っている。ところがある日、うなぎの餌を採りに行った河原で、山下は多量の睡眠薬を飲んで倒れている女性を発見した。服部桂子というその女性は、山下によって命を救われるが、山下は「東京に帰りたくない」と言う彼女を店で使うよう、中島の妻・美佐子に押し切られてしまう。しかし、明るい彼女のお陰で店は繁盛するようになり、また山下の気持ちも次第に解きほぐされていく。だが、そんな山下の前に刑務所で知り合った男・高崎が現れた。出所し、ゴミ回収の仕事に就いていた高崎は、桂子と幸せそうに働いている山下をやっかみ、桂子に山下の前歴をバラしたり、怪文書を店先に張ったり、山下のSEX経験をバカにしたりと執拗な嫌がらせをしてくる。【一方その頃、堂島の子を身ごもっていることが判明した桂子が、山下の前から姿を消した。過去を清算するために上京した彼女は、母を秋田の病院に帰し、堂島の会社から預金通帳を取り戻すと再び山下の元へ戻ってくる。しかし、堂島はそれを許さなかった。山下の店へ先回りした彼は、帰ってきた桂子から金を奪い返し、彼女を連れ戻そうとする。ところが、それまで桂子の愛を頑なに拒絶し続けていた山下が、あえてトラブルに巻き込まれると承知しながら、堂島から桂子を守った。山下は堂島とのトラブルで刑務所に戻されることになったが、様々な人たちとの交流を通して人間性を取り戻し、桂子とお腹の子を受け入れて、これからの人生を生きていくことを決心する。