明日は明日の風が吹いて……個人の日記帳です

アメリカンジョーク好きです

放火魔/折原 一

放火魔 (文春文庫)
折原 一 (著)
短編集「偶然」「放火魔」「危険な乗客」「交換殺人計画」「津村泰造の優雅な生活」<ボーナス・トラック>「黙の家」


この著者の作品ははじめて読んでみた。
色々な犯罪をモチーフにしながら叙述トリックを使いドラマ性を持たせている。
「偶然」振り込め詐欺を仕掛ける側と仕掛けられる側での攻防が面白い。
「放火魔」近所の連続放火犯がひきこもりの息子ではないかと疑いを持つようになるが…
「危険な乗客」夜行列車の隣の席に座った女が殺人犯と疑うが…
「交換殺人計画」金持ちの義父を殺害する計画を立てる。うまく行けば完全犯罪だが…
「津村泰造の優雅な生活」住宅リフォーム,騒音おばさん等もでてくる。年寄りが騙されていくと思いきや…
<ボーナス・トラック>「黙の家」石田黙という実在した画家に著書が傾倒していて黙の美術館を訪れるというサスペンス。

人物設定と描写がうまく合わないところがある気がしないでも…。説明調の略歴挿入やら。放火魔だとひきこもりの息子がそこまでするのだろうかと。
叙述トリックも功を奏しているときもあれば何となくだまされたような気になるときもある。

「偶然」「放火魔」「津村泰造の優雅な生活」がよかったかな。