明日は明日の風が吹いて……個人の日記帳です

アメリカンジョーク好きです

「こんにちはー。じゅうたんの配達にまいりました」

矢田さんの仕事はじゅうたんの配達と、それを部屋の中にちゃんと敷くことです。

この家では6畳の洋室。ピアノに洋服ダンス、大型テレビ。家具が多いと大変です。

これらを汗だくになって動かして、敷いていきます。

1時間近くかかってやっときれいに敷き終わり、家具類もすべて元の位置にもどしました。

汗をふきながらふと胸ポケットに手をやると、いつも入っているたばこの箱がありません。

「あれ・・。さっきはあったのに。どこか落としたかな」

部屋の中を見まわすと、じゅうたんが一部、小さく盛り上がっています。

「しまった!!!」

疲れ果てている矢田さん。今から敷き直す気力はありません。そこで、洋服ダンスの位置を少しずらし、その小さく盛り上がっている所にドスンと置いてごまかしました。

「あら、もう終わったのね。ご苦労様」

「あ、はい、はいっ」

「このたばこ、あなたのじゃない?玄関に落ちてたわよ」

「え・・・」



「それより、さっきからトカゲのナナちゃん捜してるんだけど見なかった?」